都立中高一貫校の合格ラインのこと④
「都立中高一貫校の合格ラインのこと③」からの続きです。
ようやく得点開示請求をするところまで来ました。前置きが長くなってしまいすみません😅
さて、校舎に入ってすぐの事務室窓口にて、事前に記入を済ませておいた得点開示請求のための書類を事務員の方に提出すると、「後ろの席で少々お待ちください」と言われました。学校HPには「請求から発行まで15分ほどお待ちいただきます」と書かれていたためそのつもりでいたのですが、ほんの数分でいただくことができました。
書類には大きく得点が記載されていたため、受け取った瞬間にA子の得点配分がパッと目に飛び込んで来て、その予想外の結果を知ることとなりました。結果は……
◇適性検査Ⅰ 90%弱
◇適性検査Ⅱ 50%弱
(◇調査書点 94%強 ※調査書点は開示されないため、事前の計算によります)
でした。全て合計すると、全体に対し70%弱の得点率でした。その時の率直な感想は、「作文が予想をはるかに越えて良かったんだ」ということと、「適性Ⅱは半分に届かなかったのか」ということでした。「作文が予想をはるかに越えて良かった」と感じた理由ですが、前年に何度か受けた適性検査模試では採点がかなり厳しく、毎回55~65%くらいの得点率だったためです。その模試ではついぞ作文が7割に到達することがなかったので、1月に過去問や通信添削をこなして多少実力の底上げができたとしても、「本番で70%に届けば上出来だ」くらいに思っていたのです。なお、もし作文の本番での得点が70%ほどだったとしたら、合計得点率は66%弱となっていたため、今年の合格ラインによっては厳しかったかもしれません。いずれにしても本番で作文が成功し、高得点がとれたことは本当に良かったと思いました。
そして適性検査Ⅱの方ですが、こちらは検査Ⅰとは反対に、直前の過去問演習では平均して60%は越えており、難しかったり本人が苦手な問題だった年でも55%はとれていたので、予想以上に苦戦していたことが分かりました。たしかに、適性検査が終わって迎えに行った時、娘は「作文は書けたと思う。検査Ⅱは2の社会分野以外は難しくて、あまりできた気がしない」といった感想を述べていたので、それに照らすと作文ほど「意外な結果」というわけではなかったのですが、改めて少し緊張が走ったと言いますか、「総合点に助けられた」とホッとする思いでした(それにしても「都立中高一貫校の合格ラインのこと③」に書いたこだわり塾長の『検査Ⅱは半分でも受かる』は本当だったんだ!と思いました)。
我が家の調査書に対する考え方も追って書いていきたいと思っているのですが、これについてもネットでは色々な意見が見られ、例えば「全体から見た得点配分では明らかに適性検査の方に比重があるのだから、よっぽど『1が並んでいる』といった状況でもない限り、あまり気にせず検査で高得点をとれるよう対策を頑張った方が良い」といったものがあります。一方で、「調査書点は全体の20~30%を占めるため決してバカにできません。特に合格をとるような受検生は小学校での成績も概ね良い子が多いので、『ほとんど3の中にぽつぽつと2がある』くらいの状況が理想です」といったものもあります。これらに対する私の意見は、当たり前のことを言うようですが、「受検準備の仕方や子どもの特性によってどちらも正しい」というものです。
もし都立中高一貫校を難関私学との併願で考え、私立進学向けの塾できっちりと準備している小学生で、さらにその学力が高ければ調査書に対して前者の姿勢でも問題はないかもしれません。調査書点での不足は適性検査の得点でカバーすればいいわけです。また、我が家のように塾には通わず、ほぼ都立一貫校一本で考えているような場合は、調査書点の1点、2点が大切になってくるわけですから、後者の姿勢が望ましいとなるのではないでしょうか。
この調査書に関するテーマは他にも色々と考察できる要素がありますので、また項目を改めて書いていくつもりです。ひとまず「適性検査の合格ライン」についての話題はここで終わりたいと思います。
都立中高一貫校の合格ラインのこと③
「都立中高一貫校の合格ラインのこと②」からの続きです。
2022年は3月7日が得点開示請求の受付開始日でした(今年は土日祝日や休校日を除いて8月31日まで請求可能のようです)。
合格ラインが公表されない中、個人の得点は開示されるというのは(検査後ひと月以上経ってからとはいえ)それだけでもありがたいと言いますか、大手塾等はこの個人データを合格・不合格に関係なくなるべく数多く集め、そこから年度ごとにかなり正確な合格ラインを割り出しているであろうことが容易に想像できます。
私は検査後に得点開示請求が可能であると知った時から、我が子の結果の如何に関わらず、必ず請求に行こうと決めていました。理由はいくつかありますが、まずは本人の努力が最終的にどれくらいの点数として現れたのかが純粋に知りたいという気持ちがありました。また、同時にA子本人も点数が知りたいと言っていたこともあります。やはり人間ですから、年齢に関係なく自分が頑張ったことに対する結果は知りたいですよね😄たとえ不合格だったとしても、最終的な得点と向き合って、「これだけ点数がとれたんだから、本当によくがんばったね。お疲れさま!」と声をかけてあげようと思っていました。
一方、もう一つの理由はかなり現実的なものなのですが、第二子B太(これは塾なし受検を考えた理由にもつながるのですが、我が家はいわゆる多子家庭なのです)が今後もし都立中高一貫校を受検するとなった時の対策の見直しにつながると考えたことです。つまり、簡単に言えばもし適性Iの作文の点数が想像以上に低ければ作文対策の戦略を再検討しなければなりませんし、適性IIの点数が…… というわけです。
そして、幸いにも合格がいただけたので、親としては落ち着いていたのですが、それでも得点開示請求受付初日に知りたいという急いた気持ちが正直ありました。請求は平日16時30分までに学校に行かなければならないので、この日は会社を少し早退して向かいました。
16時を過ぎた頃に学校に到着。遅めの時間帯だったためか、同じ目的でいらしたであろうお母様が他にお一人だけでした。その時ふと自分は今回初めて校舎内に足を踏み入れたんだなという思いが頭に浮かびました(厳密には一度だけ入学願書配布説明会で体育館に入ったことはありましたが、適性検査当日も保護者は校舎内には入れなかったのでした)。そして、目の前の廊下にはこれから下校という生徒が数名。思わず我が子の少し未来の姿をそこに重ねてしまいました。事務所前で一人の男子中学生が小走りにやってきて、私の横を「失礼します!」と通っていったのもとても好印象でした。
〜「都立中高一貫校の合格ラインのこと④」に続きます〜
都立中高一貫校の合格ラインのこと②
「都立中高一貫校の合格ラインのこと①」からの続きです。
そのようなわけで、我が子の適性検査受検から合否結果が出るまでの一週間は、ひたすら得点パターンを脳内計算するマシーンと化していたのですが、そもそも「これくらい得点できていれば合格か?」とか、「これくらいしかとれていなければ難しいか…」などと考えていたその基準、つまり合格ラインそのものは、公式には一切明らかにされないわけです。
つまり、私が脳内で「受かるか〜、受からないか〜(~_~;)」などと煩悶していたことはある意味では茶番なのですが、かと言ってまったく無根拠だったわけではありません。「都立中高一貫校の合格ラインのこと①」にも書いた通り、数は少なかったとは言えブログで合格ラインについて書かれていた方がいらっしゃったのと、小規模塾の塾長がホームページで情報を出されていたりもしたので、それらは大いに参考にさせていただきました。
ただ、参考にするにあたって気をつけなければいけないなと気付いた点がありました。それは、
「年によって合格ラインは変動する」
ということです。公立中高一貫校も開校され始めてからかれこれ15年は経つわけです。その間に検査問題は変化し、受検者層も変化し、塾側の対策も変化しています。そのような種々の要素が常に相互作用的に影響を及ぼし合う中で、当然毎年のように合格ラインは相対的に変わるわけですね。
あるこだわり塾の塾長は「これまでの経験上、適性検査I(作文)で7割とれれば適性検査IIは5割でも受かる」と書かれていました。「適性IIが5割でも可能性があるんだ!」と色めきだった直後、それが今から10年ほど前に書かれたものであることに気づき、「さすがに状況は変わっているかな…」と思ったり。またある保護者の方は、「今回の正規の合格ラインは7割弱くらいだと思われます」とご子息の得点を根拠に書かれていて、「それくらいとれなければダメなのか…」と思ったり。何度か受けた適性検査型模試の際には、主催塾の先生に直接質問したこともありました。
他にもいくつかの情報源を参考にしつつ、私が導き出した合格ラインは、
「調査書点も含めた全体の65〜70%」
というものでした。この数字を元にあれこれ頭の中で計算していたわけです。
そして、第一子A子の受検が終わり、昨日得点開示請求をしてきた結果、この数字があながち外れていなかったことが分かったのです。
〜「都立中高一貫校の合格ラインのこと③」に続きます〜
都立中高一貫校の合格ラインのこと①
こんにちは。第一子A子が一度も塾に通わずに都立中高一貫校に合格したことについてあれこれ書いていくブログです。今回は都立中高一貫校の合格ラインについて書きたいと思います。
「塾なし中学受検」をなぜブログにするか。
今春、第一子(A子)が都立中高一貫校に合格しました。本ブログのタイトル通り、いわゆる対策のための塾には通わずに、リーズナブルな通信教材のみで手にした合格でした。