「塾なし中学受検」を考える

〜塾に通わず、通信教材のみで都立中高一貫校に合格しました〜

都立中高一貫校 適性検査対策「基礎学習について①」

こんにちは。今春、第一子A子が塾に通わずに都立中高一貫校に合格したことに関してあれこれと記述していくブログです。


今回は塾に通わずに都立中高一貫校を受検するうえで、基礎学習として何をしたかについて書きたいと思います。


我が家でA子が基礎学習として行っていたのは、小学校の宿題+通信教材でした。


小学校の宿題については、どの学校でも課されるような日々の学習に関わる一般的なものに加え、提出が任意の「自学自習ノート」がかなり学力の底ざさえになったということは過去の記事「調査書について②」に詳しく書きましたが、これによって教科の枠を越えた様々な知識が身についたようです。小学校4年生から6年生までの3年間、途中で担任の先生は変わりましたが、学年として「自学自習ノート」についての方針は引き継いでいただいたらしく、最後まで続けることができました。どちらの担任の先生も、違う形でしたが生徒のやる気をうまく引き出す仕掛けを用意されていて、例えば内容の良かったページには特別なシールを貼って下さるなど、A子はその都度とても喜んでいたようです。ただ、こればかりは子供がどのような担任や学年に当たるか次第のところがあるなと感じます。というのも、現在同じ小学校に通っている弟のB太のクラス、学年では、今のところ一切このような取り組みがなされていないからです。これは公立小学校の一つの限界かと思います(例外もあるかもしれませんが)。「自学自習ノート」への取り組みでは、家にある本や図鑑が大活躍しました。これも「読解力について①②」に書いたのですが、調べたい時、確認したい時にすぐ手元に各種の本があるという環境は、その後の中学入学後も含め、かなりプラスになったと思います。


もう一つ、通信教材も基礎学力づくりの点で大きかったと思います。幼稚園の頃は全家研「月刊ポピー」、小学校1〜3年生までは小学館の今はなき「ドラゼミ(ドラえもんゼミ)」をさせていました。深い考えはほぼなく、最低限の基礎事項の確認ができそうなことと、「ドラえもんが好きだから進んでやってくれるかな」程度の理由でしたが、教材はドラえもんのキャラクターイラストがほぼ全ページに配されていて、内容もよく工夫されていて、いま振り返っても低学年時の学習習慣づくりとしてはかなり良かったと思います。


「いつまでドラゼミを続けるべきか」と漠然と考え始めたA子が小学校3年生の後半、おそらく著作権料の問題かなと思うのですが(あくまで個人の推測)、その年度をもって「ドラゼミ」が終了してしまうという通知が突然来たのです。次なる小学館の通信講座は「まなびwith」という名称で、後継者(?)は「まなだま」という、オリジナルのゆるいハンプティダンプティのようなたまご型のキャラクターで、A子が「全然可愛くない」(失礼)と嫌がったこともあり、「じゃあ来年から高学年に上がることだし、昔から定評のありそうなZ会を考えてみるか」となったのが、今から振り返ると最終的に合格できる力をつけることのできた一つの転機だったと思います。


(ちなみに、下のB太は「ドラゼミ」終了後そのまま小学館の「まなびwith」に進んだのですが、「まなだまが気持ち悪いからやる気が出ないんだ!」などと散々責任転嫁した挙句、わずか2年後にこれまた突然の講座終了通知が届いて「名探偵コナンゼミに変わるという、かなりの迷走状態が見られました。ドラえもんを手放したことで相当な顧客の流出が起こり、「まなだま」で更に拍車がかかったものと想像されます。オリジナルで勝負をかけるにしても、もう少し何とかならなかったのかと思える悲劇のキャラクターだったと言えるでしょう)


〜「都立中高一貫校 適性検査対策『基礎学習について②』」に続きます〜

都立中高一貫校 適性検査対策「問題集について③」

〜「都立中高一貫校 適性検査対策『問題集について②』」からの続きです〜

yyyask.hatenablog.jp

前回までの記事に書きましたが、結局実際の受検までにA子が解いた問題集は志望校の過去問題集以外には2冊だけだったので、正直に言って現時点での私には他の問題集を具体的に評価する根拠がありません(特に子供に実際に取り組ませての反応や結果という点で)。今後第二子以降でまた中学受検に挑戦することがあれば、その時は他の問題集に取り組ませてみる可能性はあります。

 

ですので、今回は具体的な問題集の評価に関する話ではないのですが、志望校の過去問題集をどう扱ったかについて書きたいと思います。

 

前回までの記事にも書いた通り、A子が志望校の過去問題集を実際に解き始めたのは検査前月の1月でした。それも、年末年始は例年通り実家に帰省していたので、より正確には3学期が始まってからでした。当初の計画では前年の11月末までに先の記事で触れた問題集を終え、12月から志望校の過去問に取り組ませたかったのですが、なかなかそううまく事は運ばず、ほぼひと月遅れのスタートでした。なお、過去問題集は声の教育社版を使用しました。

 

やり方としては、

①実際の検査と同じ時間で行い、最後まで終わらなくても時間が来たら解答をやめる。

②親が採点をし、点数をつける(そのために事前に問題と解答・解説には目を通しておき、大体の配点も考えておきました)。

③分からなかった問題や間違えた問題、時間内に解き切れなかった問題はすぐに一緒に確認し、親のヒントを元にできるだけ自分の力で解くようにさせる。

と決め、解かせましたが、実際は全てこのようにうまくは行かなかった部分もありました。

 

まず①については、やはり実際の検査問題は難しいということと、特に適性検査Ⅱについては10年ほど前に比べて明らかに問題の分量が年々増えて来ているため、年度が今に近づけば近づくほど解き切るのが困難になっていきました。結果、②のようにして行った採点の結果も、良くて6割に届くかどうか、場合によっては5割も厳しいか、といった状況でした。反対に、適性検査Ⅰの作文は、遡ると独創性が求められているような、親からすれば採点基準がいまいち分からないような問題だったのが、数年前からはある程度オーソドックスな課題文を読んで答える形式に変わったことでだいぶ取り組みやすくなったように思いました。実のところ、あまり検査日まで余裕がなくなっていたこともあり、適性検査Ⅰについては問題傾向が変わってからの分しか解かせませんでした。もちろん余裕があったなら全て解かせていたと思いますし、突然出題傾向が元に戻る可能性もあったかもしれませんが、そこはスパッと割り切りました。実際、本番ではここ数年と同様、課題文の内容に沿って自分の意見をまとめる問題だったので、この選択は何とか奏功したと言えます。あくまで結果論ですが。

 

また、②についてはあくまで「こんなものかな」といった恣意的な配点を元に採点したため、実際の採点とは大きく異なっていた可能性ももちろんあります。ですから、親としては③を重視し、とにかく本番の検査で少しでも良い結果を残せるようにと考えました。ただ、現実はそれほどうまく行かなかったのも事実です。この頃からA子に明らかな反抗期の徴候が現れ始め(笑)、虫の居所が悪いと全く素直に解き直しに応じなかったり、「もう嫌だ!」と言って塞ぎ込むといったことも多々ありました。そんな時、すでに公立一貫校受検を終えられた方のブログを読み、「最後の一ヶ月は親が感動するほど真剣に問題に取り組み、この頃には日々の勉強時間もかなりの長時間に渡っていました」といった記述を見ては「素直なお子さんで羨ましい...」と思ったものでした(笑)。ただ、これも結果論+持論でしかないと言ってしまえばそれまでなのですが、私は中学受験(受検)というものは子供の精神的成長がかなり大きくものを言う世界だと思っているので、小学校6年生で反抗期を迎えたということは親としてはただただ面倒なことですが、受検という観点からはプラスだったのだろうと考えています。あれだけ難しい文章を読んで内容を理解し、さらに自分の考えを述べるというのは、一歩大人の世界に入っているかどうかがかなり大きく作用することなのではないかと思うからです。

 

ということで、最終的には1月の本当に最後の最後に何とか適性検査Ⅱを10年分解き終え、検査Ⅰは傾向が変わってからの分だけを解いたというところまで持って来れたという感じでした。正直この時の本音は「合格は難しいかな」という気持ちでした。自己採点の結果、適性検査Ⅱが5割から6割の得点率だったので、「都立中高一貫校の合格ラインのこと①〜④」の過去記事にも書きましたが、受かるかどうかは適性検査Ⅰの作文の出来次第だと考えていました。「中学受験(受検)はあくまで本人の意志が大事」という持論を持っていたつもりでしたが、心の中のどこかでそこに徹し切れず、「受かってくれるといいなあ...」という欲目が生じていたことも正直に告白しておきます。

yyyask.hatenablog.jp

 

都立中高一貫校 適性検査対策「問題集について②」

〜「都立中高一貫校 適性検査対策『問題集について①』」からの続きです〜

yyyask.hatenablog.jp

前回の記事「都立中高一貫校 適性検査対策『問題集について①』」 に書いた通り、小学6年生の6月に初めて公立中高一貫校模試を受けさせた際、試験中に立ち寄った書店で購入したのが以下の2冊でした。
 
①「6つのプロセスで分類した公立中高一貫校対策問題集」(みくに出版 2013年9月10日
②公立中高一貫校 適性検査対策問題集 生活と科学編 (東京学参 2019年5月28日)
 
①は少し古め(10年ほど前)の過去問題を集めて種類別に再構成したもので、網羅性が高く、同出版社の大部な全国版過去問題集(銀本)に比べて取り組みやすく見えたので、「問題演習の入口として適切かな」と思ったのが購入した理由です。銀本は「もう少し後で買えばいいかな」くらいに考えてこの時は見送ったのですが、結果的には①を解き始めたのが9月末からになり、さらに一通り終えられたのが12月末になってしまったため、1月は志望校の過去問だけで精一杯で結局銀本は買うこともなく終わりました。
 
振り返ってみて、問題数をこなせたという意味では非常に意味がありましたが、やはり問題が全体的に10年ほど前のもので構成されており古いため、「最近はこういう問題は出題されなさそうだな」と感じるやや易しめの問題も一部にはありました。また、私は銀本の解説を直接見て確認していないため正確な分析ではありませんが、①の解説の詳しさについてはそれほど懇切丁寧ではないように感じました(あっさりしている)。ただ、それは網羅性の高い問題集の宿命だとも思うので仕方ないと割り切りました。前回の記事にも書きましたが、①の改訂版が2022年5月に発売されており、もし掲載されている問題が新しいものに一新されていれば、今後第二子の時に改めて買ってもいいかなと思えるくらいは役立ったと思います。
 
その点、②は掲載問題数が少なく、その分解説が詳しかったため、家庭で親が教えるには使いやすく感じました。このシリーズはその後もテーマ別に新作が出続けているようで、これも一つの選択肢として全て買い揃えて取り組むのもありだったかなと思いました。  
 
ただ、基本的にZ会をベースに日々の学習をしていたため、それだけでもそれなりの勉強量となり、そこに+αで参考書や問題集に取り組ませるのはなかなか大変でした。もし本人がものすごいモチベーションを持って都立一貫校受検に向かっているのなら複数の問題集を解くこともできるのかもしれませんが、我が家の場合本人がそこまで強い意志は持っていなかったため、3ヶ月で上記の①と②をやり切れただけでも上出来と割り切りました。
 
そのような状況だったため、6年生の9月から①や②に取り組み始めた時は、ある程度親が主導して解かせていくようにしました。具体的には、 
(a)事前にいくつか先の問題まで目を通し、解かせる問題の選別を行う。
(b)実際に親も解いてみて(できなければ解説を見て)、子供が分からなかった時にヒントを出せるようにしておく。

 の2つを実践しました。

 

(a)は、問題によっては正直あまりよく作られているとは言えないものがあるのに気づいたので、それらを「無理に取り組まなくても良い問題」として除外する作業でした。全体的に古めの問題を集めた本でしたので、その後作問が洗練されて今は全体的に良くなっているかもしれませんが、色々な学校の過去問に目を通してみて特に問題に感じたのは、

・問題における日本語の指示に複数の解釈の可能性がある、あるいは何を指しているのかよく分からない。

・(特に算数系の問題において)途中式を並べていけば十分理解しているかが確認できるのに、無理矢理言葉による考え方の説明を求める。

の2つでした。いずれも子供が混乱するか、無駄に時間がかかってしまうと判断し、解くべき問題から除外しました。ただし、後者についてはこちらで「式を並べて答えが出せればいいよ」と指示を出して解かせることもありました。いずれにせよ本質的でないところで子供のやる気を削いだら逆効果だと考えた上での対応でした。

 

(b)は単純に塾に通っていなかったので、親が教えてやるしかないという理由もあったのですが、私立中学の難問とは異なり、解説を見ながら考えれば何とか理解できる問題になっているので、こちらもなるべく楽しみながらサポートしていけるよう努力しました。時々難しめの問題に当たった時は、子供とあれこれ話しながら解くこともありました。それによって子供も放ったらかしにされてはおらず、一緒に取り組んでもらえているという安心感を少しは持ってくれたのでは、と一方的に思っています。

 

志望校の過去問題集を除き、結局この2冊を終わらせるだけで精一杯でしたが、9月から12月までの3ヶ月間、ほぼ毎日2〜3題ずつコツコツと積み重ねたことは、最終的に本人の地力になったのではと思います。

 

〜「都立中高一貫校 適性検査対策『問題集について③』」に続きます〜

 

都立中高一貫校 適性検査対策「問題集について①」

こんにちは。今春、第一子A子が塾に通わずに都立中高一貫校に合格したことに関してあれこれと記述していくブログです。

 
今回は適性検査対策に使用した「問題集」について書きたいと思います。……とは言っても、我が家では毎月の通信教材(これについてはまた別の記事に書く予定です)を除いてA子が使った問題集は3冊だけでした。より厳密に言えば、そのうちの1冊は受検校の過去問題集だったので、実質的には2冊だったことになります。その2冊ですが、
①「6つのプロセスで分類した公立中高一貫校対策問題集」(みくに出版 2013年9月10日)
②公立中高一貫校 適性検査対策問題集 生活と科学編 (東京学参 2019年5月28日)
になります。

いま正確な書名を確認するためにネットで検索したら、①は2022年5月13日に改訂新版が出ていました。②は他に「数と図形編」「資料問題編」「作文問題トレーニング編」「作文問題書きかた編」「総合編」の5冊が出ているようです。実はこのうち「数と図形編」も購入したのですが、解説が私にとっては分かりにくく子供に教えることが困難だったため、ほぼ使わずに終わりました。

 
なぜこの2冊を選んだのか……実はそれほど大きな理由はありません。以前、本ブログにて「『塾なし中学受検』を選んだ理由」という表題でいくつか記事を書きましたが、それより前のこと、つまりそもそもなぜA子が中学受検をすることになったかの切っ掛けについてはまだ書いていませんでした。この2冊を選んだのは、その切っ掛けと少し関係があります。
 
元々A子は小学4年生から通信教材のZ会(「中学受験コース」ではない「小学生コース」)を4科目で始めたのですが、小学5年生になると追加で選べる「公立中高一貫校適性検査」と「作文」の講座に、何となく「子供のプラスになるかな」くらいの気持ちで申し込みました。というのも、もし娘本人が最終的に都立中高一貫校に関心を示した時に、何にも準備をしていなければまず合格は無理だろうと思ったからです。とは言え、その追加講座では作文の添削は1ヶ月に一度だけ、適性検査問題対策の冊子も週1回ずつ程度の分量だったので、正直なところ当時の私は心の中で「さすがにこれだけで合格は難しいかな…」と思っていました。けれども、たとえ適性検査に通らなかったとしても、あるいは最終的に受検しなかったとしても、小学校卒業までの2年間この学習を続ければ、本人の学力にマイナスになることはないだろうと考え、受講することにしたのでした。
 
その後、娘が小学6年生になった2021年6月のある日、ふと「もしいま娘が適性検査の模擬テストを受けたら、はたしてどれくらいの位置にいくのだろうか」という疑問が私の中で湧き起こりました。1年と数ヶ月でしたが、続けてきたZ会の公立中高一貫校講座の効果がどれくらいあるのか知りたい気持ちもありました。ただ、無理強いだけはしたら意味がないと思っていたため、一応A子には申し込み前に打診をしてみました。すると、「受けてもいいよ」といった反応だったので、申し込むことに決めました。
 
この時まで、いわゆる模試は小学4年生の時に近所の会場で行われた首都圏模試センター主催の「中学受験スタート模試」しか受けたことがなく、都立中高一貫校受検向けの模試にどのようなものがあるのかはほぼ知りませんでした。ただ、同じ首都圏模試センターが公立中高一貫校向けの模試を比較的早い時期から実施していることは知っていたので、最初はそれを受けさせてみようと調べてみたのですが、直近の模試日程が小学校の行事と重なってしまっていたため、さあどうしようかと思っていた時に、たまたまネットで見つけたのが早友学院という小規模塾が主催する公立中高一貫校模試でした。規模こそ他の模試に比べるとだいぶ小さいようでしたが、口コミを見てみると問題の質に対する評価が高かったことと、この塾が公立中高一貫校受検対策に的を絞った塾であり、その規模に対しては実績の高いことが分かったので、ひとまず受けさせてみようということになりました。結果的にこの模試に出会ったことが適性検査を受検する決め手になったのですが、「問題集について」という今回の記事のテーマに戻すため、模試についてはまた別に改めて書くことにします。
 
偶然ネット上で見つけて受けることになったこの模試の会場にA子を連れて行った私は、試験終了まで外で時間を潰すことにしました。この時は会場が神保町だったので、三省堂書店に行って本を買ってから喫茶店に入ろうと決めたのですが、その時ふと「公立中高一貫校用の問題集でも見てみるか」と思いつき、参考書コーナーで見つけたのが冒頭で紹介した①と②の2冊だったのです。
 
〜「都立中高一貫校 適性検査対策『問題集について②』」に続きます〜
 

都立中高一貫校 適性検査対策「読解力について②」

〜「都立中高一貫校 適性検査対策『読解力について①』」からの続きです〜

yyyask.hatenablog.jp

前回の記事では適性検査問題を解く上では読解力が必要であり、 その読解力を身につけるための方法として読書が重要だと思うこと、さらに子供が本を読むようになるためには本に囲まれる環境が大切ではないかという考えを縷々述べました。今回は具体的に私が子供にどのような本を用意したか、そして子供がのちにどのような本を好んで読むようになったかについて書きたいと思います。

 

我が家の「子供文庫」の設立は、絵本の購入から始まりました。最初は乳幼児向けの赤ちゃん絵本(判型が小さくて厚紙でできている絵本)が多かったと思います。本当の最初の一冊目は、区の子育て支援企画の一環でいただいた、

・まついのりこ『ばいばい』偕成社

でした。まだ1歳になる前でしたが、読んであげると嬉しそうにしていたので、しばらくはこのタイプの本を買っていました。

この頃はまだ当然自分から欲しい本を求めるような時期ではなかったので、自分が子供の頃に家にあって好きだった絵本を中心に、何となく買い集めていました。まずは自分が子供の頃に買ってもらって実際に読んでいた懐かしの一冊を買い、反応が良ければ続けて同じ作者や出版社の別の絵本を買っていく、という流れで数を増やしていきました。例えば、

かこさとし『たべもののたび』童心社

→『からすのパンやさん』『〜おかしやさん』『〜やおやさん』『〜そばやさん』『〜てんぷらやさん』『おたまじゃくしの101ちゃん』『どろぼうがっこう』偕成社、『だいこんだんめん れんこんざんねん』福音館書店、『だるまちゃん・りんごんちゃん』瑞雲社

のような形です。とにかく塾には行かなくても子供の本には惜しまず投資しようと決めていたので、いま大雑把に冊数を数えてみたところ、少なくとも千冊は超えていそうです。仮に一冊千円だとしたら百万円になりますが、それでも小学校6年生の一年間でかかると言われている塾代より安いわけです。

 

改めて自身の子供時代を振り返ると、自分の家には決して少なくない数の本がありましたし、親も比較的本に関してはお金を出してくれていた方でしたが、それでも今の自分の考え方からすると少なかったと思います。理想としては小さい図書館が家の中にあるくらいが良いと思うのです。実際子供向けの本を買い揃えていくと、購入直後は手に取らなくてもある時突然存在が認識されるのか、「読んで!」と自分から持ってくる時が来ます。また、成長して自分で本が読めるようになると、結構前に買ったまま置かれていた本をいつの間にか読んでいることがあります(それは、食事の時間に私も知らないような細かい知識を子供が披露し始めた時、「それどこで知ったの?」と尋ねると、大抵の場合家にあるいずれかの本の名前を答えることで分かります)。このようにして得た知識は後に適性検査の対策をしていく際にも大きな力になったはずです。そしてもう一つ家に本を置いておく大きなメリットは、下に弟妹がいる場合、そのまま財産として引き継げる点にあります。特に我が家は多子家庭のため、一冊の本にかかるコストは、敢えて言えば「1/兄弟姉妹の人数」となるわけです。もちろんこのようなことを常に計算しながら本を購入していたのではありませんが、これがもし通塾費用になると「一人にかかる授業料×兄弟姉妹の人数」となりますから、相当お得な教育投資だと言えると思います。

 

子供が用意すれば用意するだけ本を読んでくれるという状況は、親の購入意欲をさらに増してくれる効果があり、第一子A子の時は常に書店の児童書のコーナーで良さそうな本を探したり、一度購入して内容に間違いないと思った作家がいればAMAZONで同じ作者の本を買うなどして、かなりの冊数を揃えました。とにかく常に子供にとって新たに読む本があるという環境を作っていたので、幼稚園の年中には絵本の時代はほぼ終わってしまい、卒園して小学校に入学する頃にはかなり分厚い物語等を読むようになっていました(「富安陽子『シノダ!』シリーズ、偕成社」など)。その後もかなりの冊数を読んだためか、本を読む速さは私が子供の頃に対して、比べ物にならないほどになりました。シリーズものを一度に購入して渡してしまうと、止めなければ一日で3〜4冊を読み終えてしまうこともありました。

今回のテーマで記事を書き始めた時、これまで子供用に購入した本のリストのようなものを記録のためにも書いておこうと思ったのですが、かなり膨大になることに気づいたので、それはまた次の回にしたいと思います。

都立中高一貫校 適性検査対策「読解力について①」

今回は、都立中高一貫校受検における読解力の重要性について感じたことを中心に書きたいと思います。

 

適性検査の過去問、特に検査ⅡとⅢをご覧になったことのある方には共感していただけると思いますが、まず問題文自体がかなりの長さになっており、それを読んで理解する必要があります。その上、45分という非常に短い試験時間の中で難しい問いにも答えて行かなければならないということで、処理速度も求められます。娘のA子の場合、6年生の1月から志望校の過去問を実際の試験時間で解くことを始めましたが、制限時間内に解き切るのはかなり厳しく、問題との相性が良ければ何とか解き切れるものの、そうでない時は時間が足りずに終わってしまう、といった状況でした。

 

そのことを考えると、適性検査問題を問題として解けるかという前に、まずは基本的な力としての読解力は不可欠だと感じます。そして、読解力と同時に速く読む力もまた重要です。問題文をきちんと理解しながらそれなりの速さで読むために、私が対策として考えたのは、本当にありきたりなことですが、「読書」でした。より正確に言えば、都立中高一貫校受検の対策として読書を勧めたのではなく、元々の教育方針の中に「とにかく読書はどんどんさせる」というものがあり、その結果として適性検査問題の読解に役立った、という流れになります。

 

以前書いた「『塾なし中学受検』を選んだ理由」でも触れた通り、我が家は経済的な理由から塾に通わせずに受検する道を選んだのですが、本についてだけは「書店で子供が興味を示した本は購入する」ことにしていました(本気で計算したことはまだないのですが、この10年間の子供の書籍購入費は合計で100万円は優に越えているかもしれません。それでも子供1人を3年間進学塾に通わせればまず200万円は越えると言われていますから、それに比べれば抑えられていると言えます)。さらに、それより以前は、つまり子供が自発的に本を選べるようになる前までは、親の視点で読み聞かせしたい本、いずれ読んでほしいと思う本を購入していました。

 

私自身が読書を趣味としていることもあり、住まいの部屋全体に本棚にして10棹分以上の本があるため、元々本を買うことにあまり躊躇はなかったのですが、さすがにそこにプラス子供の本となるとスペース的にかなり厳しくなってきてしまうため、自分自身のための本は電子書籍で構わないものはそれで済ませるようにしてきましたが、それでも紙の本もちょくちょく買うので最近はかなり置き場に困っている状況です。

 

若干話がずれてしまいましたが、何を言いたいかというと、子供に本を読んでもらうようにするために個人的に効果があると思うのは、物理的に周囲に本が沢山ある環境を作ることです。よく教育関係の雑誌や動画などで、「本好きな子供に育ってもらうにはどうすればいいか」といった親からの質問や悩みが扱われることがあります。その答えとして最近よく目にする気がするのは、「親御さん自身が本を読んでいますか?親が読書をしないようでは子供もなかなか本を読もうとしませんよ」という、親の姿勢を問う回答です。確かにそれも一面で真実だと思います。というよりも、「親が本好きならその傾向が子供にも概ね遺伝する」ことを逆方向から説明しているだけかな、という気もしないではないのですが、仮に「では子供の前で本を読んでいるところを見せようか」と思ったところで、読む本は当然親子で異なるのですから、子供が読みたい本、そして親が読ませたい本の準備はいずれにせよ必要なわけです。

 

その時に、子供の周りに実際に本がなければ読みたくても読めないのですから、できるだけ多くの本を用意しておくことが重要だと考えます。ただ、繰り返しますが、これは私がこれまでの経験から色々と考えた末に個人的に行き着いた考え方であり、ここは価値観や経済状況で方針が分かれるところだと思います。私のこの考え方に価値観の面で衝突するのは、「部屋はスッキリと、余計な物は一切置かない派」でしょう。四半世紀近く前から「捨てる!技術」、「片付けの魔法」、「ミニマリスト」等々と、連綿と続く系譜のあれです。私は個人的に真逆の考え方なので(むしろ「立花隆的知的混沌」を好みます)、この系統の考えをお持ちの方には全く説得できる余地はないと考えます。ただ、経済的事由で本を購入することが難しいという向きに対しては、できれば古書店での購入、それも難しければ地域や小学校の図書館の最大活用でほぼ対応可能だと考えます。「ほぼ」と敢えて書いたのは、やはり理想は子供のお気に入りの本が常に手元にあるという環境だと考えるからです。

 

その利点は2つあると考えます。まず、子供の読書傾向を見ていて気付くのは、子供はお気に入りの本は何度でも飽きずに読み返すということです。これはまだ自分で本を読めない読み聞かせ期に本当に顕著ですが、もうこちらが疲れてヘトヘトになってしまうほど同じ絵本を「読んで!」と持って来ますよね?😅これって自分で読書できるようになってからも大体変わらない傾向だと思うのです。やはり子供はお気に入りの本は勉強机の前の棚やベッドの宮に並べて、何度も何度も繰り返し読んでいるみたいです。これは本人が楽しいことはもちろん、活字に慣れるという意味では最高の方法になっていると思います。もう一つの利点は、これは家族構成によりますが、下に弟妹がいる場合、そのまま本を引き継げるということです。時には下の弟妹が兄姉の読んでいる本に興味を示して手に取ったり、兄姉が自分が読んで面白かった本を下にあらすじを解説して勧めていたりもしました。兄弟姉妹の最高のコミュニケーションだなと感じました。これらはいずれも本自体が家にあって初めてうまくいくことです。その点において、私は古本でもいいから家に物理的に本がある環境が良いと思うのです。

 

以前読んだユダヤ人の教えに関する本の中で知った格言で私が好きなものに、「もし貧しくて物を売らなければならないとしたら、まず金、宝石、家、土地を売りなさい。最後まで売ってはいけないのは本である」というものがあります。本を知識の象徴、源泉として捉え、崇高なものとする価値観は、本当に素晴らしいと思います。

 

〜「都立中高一貫校 適性検査対策『読解力について②』」に続きます〜

yyyask.hatenablog.jp

 

都立中高一貫校 適性検査対策 「調査書について③」

〜「都立中高一貫校  適性検査対策  『調査書について②』」からの続きです〜

yyyask.hatenablog.jp

 

前回、前々回と、いくつかの観点から調査書について書きましたが、今回もその続きを書きたいと思います。

 

前回の「都立中高一貫校 適性検査対策『調査書について②』」では、調査書を得点源としてだけでなく、調査書点すなわち小学校の成績を上げていくプロセスそのものが適性検査問題を解くのに必要な学力を身につけることにつながっているのではないか、との視点を示しました。我が家のA子の場合、小学校で任意の提出物として小学4年生の時から課されていた「自学自習ノート」に3年間継続して取り組んだことが学力の基盤構築になったのではないかという考えについては前回書いた通りです。

 

一方で、調査書の内容をより良くしていくことにつながる勉強以外の要因としては、行事を含む小学校での様々な活動にどんどん積極的に挑戦していくことが挙げられると思います。このように書くとあたかも調査書の成績アップのために頑張るのか、と思われてしまいそうですが、それはあくまで結果からさかのぼっての話であって、やはりここでも大切なのは子供が色々なことに挑戦する過程と、そこから得られる経験だと思うのです。

 

A子を例に出して言いますと、彼女は元々は決して自分から進んで前に出て行くタイプではありませんでした。むしろ慎重に周囲の様子を伺いながら、自分の出方を決めていくようなところがあったようです。そのため、小学校からの帰宅後に色々と話をしていると、「今日◯◯の授業で先生が『△△についてどう思う?』ってみんなに聞いて、ほとんどの子が◇◇って答えてたんだけど、自分は××だと思った」といったことを言う時があり、私が「A子がそれ言ったらどんな反応だった?」と聞くと、大抵「え、面倒くさいから言わなかった」という返事が返ってくるということが、特に4年生くらいまでは多かった気がします。

 

それが、5年生以降から少しずつ前に出て行けるようになり、例えば行事の司会や進行の役割、長期休暇明けの朝の朝礼でのスピーチ、式典でのピアノ伴奏など、立候補者が求められるチャンスがあれば、どんどん手をあげられるようになったそうです。もちろん、選ばれる時もあれば選にもれてしまう時もあったようですが、選んでいただけた時はとても喜んでおり、またそのような機会の積み重ねが本人の自信の形成につながっていたように思います。家庭では選ばれた時はもちろん目一杯褒めてやりましたが、選ばれなかった時は挑戦したことの立派さをそれ以上に褒めてやるようにしました。それもあってか、A子は選ばれなくても腐ることなく、次の機会が来ればまた手を挙げるということができていたようです。

 

都立中高一貫校に入学して間もなくA子から聞いた話なのですが、早速5月に行われる行事のクラス委員2名を決めるために担任の先生が立候補者を募ったところ、クラスの半数以上の生徒が一斉に手を挙げたそうです。それを聞いた時、私はさもありなんと思い、それと同時に学校側が調査書を選考要件の一つに入れている理由はこういう所にもあるのだろうと得心がいったのでした。つまり、何事にも興味・関心を持って主体的に関わって行く姿勢を持っているかどうかを、調査書における評価を通して見ているのだと思うのです。学力テストだけでは測りにくいこのような資質を、2〜3年分の調査書を通して確認するという意味がここにはあるのだと思います。

 

その点で個人的に少し違うのではと思うのは、YouTube等で見かける「調査書点を上げるために授業中はとにかく手を挙げよう!」といったアドバイスの類です。もちろんテクニックとしてはそれによって先生の印象は良くなり、結果的に調査書点が上がる可能性も高まるでしょう。けれども、言い方は難しいのですが、個人的には「そういうことじゃないんじゃないかなあ…」と思うのです。少なくともそこに子供の主体性がない限り、ドーピングのようにして得られた点数になるわけで、先ほどお伝えしたような入学後の周囲の生徒との姿勢の差が負担になってしまうのではないかなと感じます。ただ、ここは多分に個人の考え方の違いによるところですので、「あくまで合格を目標として、少しでも取れる点は取るんだ」というのも一つの姿勢としてあってもいいとは思います。