「塾なし中学受検」を考える

〜塾に通わず、通信教材のみで都立中高一貫校に合格しました〜

都立中高一貫校 適性検査対策「問題集について②」

〜「都立中高一貫校 適性検査対策『問題集について①』」からの続きです〜

yyyask.hatenablog.jp

前回の記事「都立中高一貫校 適性検査対策『問題集について①』」 に書いた通り、小学6年生の6月に初めて公立中高一貫校模試を受けさせた際、試験中に立ち寄った書店で購入したのが以下の2冊でした。
 
①「6つのプロセスで分類した公立中高一貫校対策問題集」(みくに出版 2013年9月10日
②公立中高一貫校 適性検査対策問題集 生活と科学編 (東京学参 2019年5月28日)
 
①は少し古め(10年ほど前)の過去問題を集めて種類別に再構成したもので、網羅性が高く、同出版社の大部な全国版過去問題集(銀本)に比べて取り組みやすく見えたので、「問題演習の入口として適切かな」と思ったのが購入した理由です。銀本は「もう少し後で買えばいいかな」くらいに考えてこの時は見送ったのですが、結果的には①を解き始めたのが9月末からになり、さらに一通り終えられたのが12月末になってしまったため、1月は志望校の過去問だけで精一杯で結局銀本は買うこともなく終わりました。
 
振り返ってみて、問題数をこなせたという意味では非常に意味がありましたが、やはり問題が全体的に10年ほど前のもので構成されており古いため、「最近はこういう問題は出題されなさそうだな」と感じるやや易しめの問題も一部にはありました。また、私は銀本の解説を直接見て確認していないため正確な分析ではありませんが、①の解説の詳しさについてはそれほど懇切丁寧ではないように感じました(あっさりしている)。ただ、それは網羅性の高い問題集の宿命だとも思うので仕方ないと割り切りました。前回の記事にも書きましたが、①の改訂版が2022年5月に発売されており、もし掲載されている問題が新しいものに一新されていれば、今後第二子の時に改めて買ってもいいかなと思えるくらいは役立ったと思います。
 
その点、②は掲載問題数が少なく、その分解説が詳しかったため、家庭で親が教えるには使いやすく感じました。このシリーズはその後もテーマ別に新作が出続けているようで、これも一つの選択肢として全て買い揃えて取り組むのもありだったかなと思いました。  
 
ただ、基本的にZ会をベースに日々の学習をしていたため、それだけでもそれなりの勉強量となり、そこに+αで参考書や問題集に取り組ませるのはなかなか大変でした。もし本人がものすごいモチベーションを持って都立一貫校受検に向かっているのなら複数の問題集を解くこともできるのかもしれませんが、我が家の場合本人がそこまで強い意志は持っていなかったため、3ヶ月で上記の①と②をやり切れただけでも上出来と割り切りました。
 
そのような状況だったため、6年生の9月から①や②に取り組み始めた時は、ある程度親が主導して解かせていくようにしました。具体的には、 
(a)事前にいくつか先の問題まで目を通し、解かせる問題の選別を行う。
(b)実際に親も解いてみて(できなければ解説を見て)、子供が分からなかった時にヒントを出せるようにしておく。

 の2つを実践しました。

 

(a)は、問題によっては正直あまりよく作られているとは言えないものがあるのに気づいたので、それらを「無理に取り組まなくても良い問題」として除外する作業でした。全体的に古めの問題を集めた本でしたので、その後作問が洗練されて今は全体的に良くなっているかもしれませんが、色々な学校の過去問に目を通してみて特に問題に感じたのは、

・問題における日本語の指示に複数の解釈の可能性がある、あるいは何を指しているのかよく分からない。

・(特に算数系の問題において)途中式を並べていけば十分理解しているかが確認できるのに、無理矢理言葉による考え方の説明を求める。

の2つでした。いずれも子供が混乱するか、無駄に時間がかかってしまうと判断し、解くべき問題から除外しました。ただし、後者についてはこちらで「式を並べて答えが出せればいいよ」と指示を出して解かせることもありました。いずれにせよ本質的でないところで子供のやる気を削いだら逆効果だと考えた上での対応でした。

 

(b)は単純に塾に通っていなかったので、親が教えてやるしかないという理由もあったのですが、私立中学の難問とは異なり、解説を見ながら考えれば何とか理解できる問題になっているので、こちらもなるべく楽しみながらサポートしていけるよう努力しました。時々難しめの問題に当たった時は、子供とあれこれ話しながら解くこともありました。それによって子供も放ったらかしにされてはおらず、一緒に取り組んでもらえているという安心感を少しは持ってくれたのでは、と一方的に思っています。

 

志望校の過去問題集を除き、結局この2冊を終わらせるだけで精一杯でしたが、9月から12月までの3ヶ月間、ほぼ毎日2〜3題ずつコツコツと積み重ねたことは、最終的に本人の地力になったのではと思います。

 

〜「都立中高一貫校 適性検査対策『問題集について③』」に続きます〜