「塾なし中学受検」を考える

〜塾に通わず、通信教材のみで都立中高一貫校に合格しました〜

都立中高一貫校 適性検査対策「読解力について②」

〜「都立中高一貫校 適性検査対策『読解力について①』」からの続きです〜

yyyask.hatenablog.jp

前回の記事では適性検査問題を解く上では読解力が必要であり、 その読解力を身につけるための方法として読書が重要だと思うこと、さらに子供が本を読むようになるためには本に囲まれる環境が大切ではないかという考えを縷々述べました。今回は具体的に私が子供にどのような本を用意したか、そして子供がのちにどのような本を好んで読むようになったかについて書きたいと思います。

 

我が家の「子供文庫」の設立は、絵本の購入から始まりました。最初は乳幼児向けの赤ちゃん絵本(判型が小さくて厚紙でできている絵本)が多かったと思います。本当の最初の一冊目は、区の子育て支援企画の一環でいただいた、

・まついのりこ『ばいばい』偕成社

でした。まだ1歳になる前でしたが、読んであげると嬉しそうにしていたので、しばらくはこのタイプの本を買っていました。

この頃はまだ当然自分から欲しい本を求めるような時期ではなかったので、自分が子供の頃に家にあって好きだった絵本を中心に、何となく買い集めていました。まずは自分が子供の頃に買ってもらって実際に読んでいた懐かしの一冊を買い、反応が良ければ続けて同じ作者や出版社の別の絵本を買っていく、という流れで数を増やしていきました。例えば、

かこさとし『たべもののたび』童心社

→『からすのパンやさん』『〜おかしやさん』『〜やおやさん』『〜そばやさん』『〜てんぷらやさん』『おたまじゃくしの101ちゃん』『どろぼうがっこう』偕成社、『だいこんだんめん れんこんざんねん』福音館書店、『だるまちゃん・りんごんちゃん』瑞雲社

のような形です。とにかく塾には行かなくても子供の本には惜しまず投資しようと決めていたので、いま大雑把に冊数を数えてみたところ、少なくとも千冊は超えていそうです。仮に一冊千円だとしたら百万円になりますが、それでも小学校6年生の一年間でかかると言われている塾代より安いわけです。

 

改めて自身の子供時代を振り返ると、自分の家には決して少なくない数の本がありましたし、親も比較的本に関してはお金を出してくれていた方でしたが、それでも今の自分の考え方からすると少なかったと思います。理想としては小さい図書館が家の中にあるくらいが良いと思うのです。実際子供向けの本を買い揃えていくと、購入直後は手に取らなくてもある時突然存在が認識されるのか、「読んで!」と自分から持ってくる時が来ます。また、成長して自分で本が読めるようになると、結構前に買ったまま置かれていた本をいつの間にか読んでいることがあります(それは、食事の時間に私も知らないような細かい知識を子供が披露し始めた時、「それどこで知ったの?」と尋ねると、大抵の場合家にあるいずれかの本の名前を答えることで分かります)。このようにして得た知識は後に適性検査の対策をしていく際にも大きな力になったはずです。そしてもう一つ家に本を置いておく大きなメリットは、下に弟妹がいる場合、そのまま財産として引き継げる点にあります。特に我が家は多子家庭のため、一冊の本にかかるコストは、敢えて言えば「1/兄弟姉妹の人数」となるわけです。もちろんこのようなことを常に計算しながら本を購入していたのではありませんが、これがもし通塾費用になると「一人にかかる授業料×兄弟姉妹の人数」となりますから、相当お得な教育投資だと言えると思います。

 

子供が用意すれば用意するだけ本を読んでくれるという状況は、親の購入意欲をさらに増してくれる効果があり、第一子A子の時は常に書店の児童書のコーナーで良さそうな本を探したり、一度購入して内容に間違いないと思った作家がいればAMAZONで同じ作者の本を買うなどして、かなりの冊数を揃えました。とにかく常に子供にとって新たに読む本があるという環境を作っていたので、幼稚園の年中には絵本の時代はほぼ終わってしまい、卒園して小学校に入学する頃にはかなり分厚い物語等を読むようになっていました(「富安陽子『シノダ!』シリーズ、偕成社」など)。その後もかなりの冊数を読んだためか、本を読む速さは私が子供の頃に対して、比べ物にならないほどになりました。シリーズものを一度に購入して渡してしまうと、止めなければ一日で3〜4冊を読み終えてしまうこともありました。

今回のテーマで記事を書き始めた時、これまで子供用に購入した本のリストのようなものを記録のためにも書いておこうと思ったのですが、かなり膨大になることに気づいたので、それはまた次の回にしたいと思います。